【コラム】自分のニオイを気にしすぎて隣の女子を泣かせてしまった話

どうがんばっても、「自分がどんなニオイをしているのか」は、自分では知りえない。脇や足や股間など、体の一部をクンクンを嗅ぐことは可能だが、“全体的なニオイ” については「分身の術」でも使わない限りわからない。

それゆえ、私は自分のニオイが非常に気になる。幸い、今は「いいニオイ」と言われることのほうが多いのだが、実は100%鵜呑みにはしておらず、香水をつけたり、ヘアオイルをつけたりして、ニオイをごまかしているのだ。

しかし、そんな「自分クサイかもしれない症候群」も、昔に比べたら良くなったほうだ。思春期のころ、とくに中3のころはひどかった。

いろんなホルモンが分泌しまくっている中3の男子なのだからニオイを発するのは当然だし、おそらく実際にクサかったのだと思うが、ノイローゼ気味に「自分、絶対にクサい!」と思い込んでいたのである。

毎朝、制汗スプレーを一生懸命プシュプシュと、粉が浮くまで自分めがけて噴霧しまくったうえ、シーブリーズ的なモノをペタペタと塗って清涼感を演出した。しかし、そんな努力を無駄にするのが毎朝のウンコである。

トイレの個室でウンコをすると、当然、トイレはウンコ臭くなる。そんなウン臭(うんしゅう)の元となる「ニオイ細胞」が自分の制服などに染み込んで、知らず知らずのうちにウンコ臭くなっているのでは……!?

オレ、ウンコ臭いのでは!!!!?

そんなことを考えている時点で完全にノイローゼなのだが、私は、ある対策によってウン臭の付着を防いでいた。それこそが「線香スモーク」である。やり方は、いたって簡単。もうおわかりだと思うが……

トイレ個室内で線香をガンガンに焚きながらウンコする

……のである。ようは「線香の香りを制服に染み込ませれば、ウンコの香りもごまかせる」といった上塗り的な作戦なのだが、当然、ケムい。視界が白むほどケムくなる。だが、ウンコ臭くなるよりは、はるかにマシ。

今考えると、下手したら死んでいたかもしれないが、私は毎朝、トイレの中でウンコしながら、自らをスモークしていたのである。ウンコ臭いと思われるより「お香が好きなのね」と思われたかったのだ。線香だけど。

その日も、いい感じに、私のニオイはオリエンタルっぽくなっていた。良く言えば「インドっぽい」が、悪く言えば「おばあちゃんち」のニオイになっていた。しかし、どちらにしても「ウンコ」ではない。それでいい。

意気揚々と登校し、自分の席に座った。すると、隣の席の女の子が、開口一番「今日の羽鳥くん、ちょっと……スゴイ!」と言い出した。よしよし、いいぞ〜。ウンコ臭さなんてどこ吹く風。今日のオレはインド臭な男なのさ。

しかし、彼女はこう続けた。

「羽鳥くん、いつもお線香のニオイがスゴいけど、今日はちょっとスゴすぎる……。目に染みるくらいキッツいよ……

隣を見ると、泣いていた。目から涙を流していた。私由来の線香臭が目に染みて、ボロボロと涙を流していたのだ。それ以来、スモーク作戦は中止した。みんなもマネしないほうが良いだろう。女の子を泣かせるのは、よくないから。

<完>

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24