桜の季節なので、桜フレーバーなお酒作りにトライしてみた結果…

最近「サクラ○○」みたいな、桜の花をイメージした、あるいは桜の花が入った飲食物が増えてきている。これ自体は例年のことだし、これからも桜が絶滅しない限りはずっと続く恒例行事だろう。

そんな感じで桜に思いを馳せていたとき、ふと思い立ったのだ。自分でも何か作ってみたら面白そうじゃん? 桜ってピンクで見た目もクールだし、桜餅とかウマいし。では何を作るか……せや、お酒に桜を漬けたらええやん! 桜の漬け込み酒とか、季節感あってイイ感じやろ! 勝ったな!!

・塩抜き

思い立ったが吉日。しかし材料はどうするか……。さすがにその辺の桜の木から勝手に採ってくるのは色々まずいだろう。ググってみると、桜の花や葉は塩漬けが普通に売られていた。なるほど、和菓子のお店で年中提供される桜餅とか桜湯はこの手の塩漬けを使っているのだろう。

そのままネットで適当に塩漬けの桜の花と、塩漬けの桜の葉を購入。

開けてみるといい匂いがする。すでにウマそうな見た目だが、食べてみるとさすがに塩気が強すぎてヤバい。このままだと塩分過多でどうしようもなくなるだろう。できれば塩気は完全に抜き去りたい。

水に漬けておけばそのうち塩は抜けるのだろうが、ぶっちゃけどれくらいで塩が抜けるのかよくわからない。とりあえず水で洗って目に見える塩を落としたのち、皿の中で水に漬けて一晩様子を見ることに。

朝チェックするつもりが、うっかり存在そのものを忘れてしまった筆者。夕方頃に思い出して、桜の花を一つまみ食べてみると……

無味無臭

塩は完全に抜けているようだ。しかし桜っぽい味も香りもしない。べしゃべしゃした植物を食べているという感じ。これ酒に漬けても何もかわらないんじゃないのか? 心配になってきた。とはいえ色素まで抜けたわけではないし、色くらいは抽出できる気がする。最悪ピンク色に染まれば良しとしよう。

一方で葉の方は風味が残っていた。桜餅の葉の部分の味そのままである。花より若干肉厚だからか、葉脈の部分などにほのかな塩味を感じたような気もした。とはいえそれも気のせいかもしれないレベルで希薄。下ごしらえはこれで完了ということにしよう。

・ジンという選択

あとは肝心のお酒である。漬け込み酒で良くあるのは、りんごやレモンなどの果実を焼酎やバーボンなどに漬けるというもの。しかし筆者の家にあるのはスコッチが大半。あとはアブサンなどの薬草系リキュールである。あまり桜との相性は良くなさそう。

何か手ごろなもので用意するか……でも何にしよう? 焼酎はぶっちゃけほとんど飲んだことが無いので味がわからない。バーボンならいい気もするが、できれば桜を漬けたことによる色の変化がわかりやすい透明なものがいい。

ラム……は合わない気がするし、ウォッカかジンにしよう。なんとなくだが、ジンの方が植物との相性がいい気がする。実際にジンの銘柄の一つ「ヘンドリックス」にはバラの花が使われている。バラがいけるなら桜もいけるに違いない。ということで色々迷ったが「ボンベイサファイア」を購入。皆さんもその辺のスーパーとかで見たことがあるだろう。あの青いボトルのやつだ。

一通り全部揃ったところで、熱湯で消毒した瓶に桜の花、桜の葉を入れ、ジンを注いでいく。瓶は消毒済みだし、桜の花も葉ももともと塩漬けだし、そもそも47度のジンに漬かっているのだし多分雑菌とかは大丈夫だろう。大丈夫じゃなかった場合は、とりあえず病院にいけばきっとなんとかしてくれるはずだ。

・3日で完成

あとは瓶を適当に机の下辺りに放置。そして3日が経過し、取り出してみると……

色が着いてる! 

光に透かしてみないとややわかり辛いが、桜の花を漬けたほうはしっかりとジンがピンク色に。

そして葉を漬けたほうは、花よりも濃厚かつ明確に緑色に染まっている。

これは大勝利といっていいのでは? まあ正直、葉の方はなんだか青汁というか、洗ってない水槽の水というか……そんなにオサレな色ではない。もろに葉っぱが瓶詰めになっている様子も何かの標本じみていて微妙である。

しかし花の方はどうだろう。THE 春という感じのピンク色ではないだろうか? グラスに注いでみると、思っていたよりも濃く色が着いている。これならソーダなどで薄めてもしっかりピンク色を保ってくれるはず。

ヤバいなぁ~これは勝ってしまった。大成功すぎて「春にぴったり! お洒落可愛い手作り桜リキュール」とか何とか、それっぽいタイトルで女性向けメディアとかSNSでバズっちゃうなぁ~。映えすぎて困るなぁ~。

というわけで、作り方は上述の通り、塩抜きした桜の花をジンに漬けて放置するだけ! みんなも桜フレーバーなお酒を手作りして春を満喫しよう!

……

……

……

え、味はどうなんだって? ええ、まあ……。

・封印指定

できれば触れずにスルーしたかったんですよね。見た目だけでも綺麗なままで終わりたかった本企画。しかし飲み物である以上は味も伝える必要がある。正直に言おう。マズすぎて飲めたものじゃなかった。

一体何に勝ったというのか。あの自信はどこからきていたのか。今となっては余りに遠い過去の話すぎて本人にもよく分からない。成功感を演出してきたが、実のところ最後の最後で大失敗であることが発覚したのだ。

近年まれに見る、これ以上無いくらいの完全敗北である。出来上がったブツは、もはや飲み物ではなく何か別の……なんだろう、それこそ植物のアルコール漬け標本みたいな?

ただの標本ならまだいい。何かよくない反応がおきて、悪意に満ちたおぞましい劇物になっている。ほんのひと匙口に含んだだけでもうそこから2時間くらいずっと気持ち悪いのだ。飲んだわけではない。口に含んで、その瞬間にヤバさを確信して吐き出し、うがいをした……にもかかわらず、いまだにマズさの片鱗が吐き気をもよおすレベルで残っている。

具体的には、まずとても渋みがある。そして青臭い。そのくせに謎のハッカじみた清涼感があって、そのハッカ的なヒヤッとするフレーバーに青臭い渋みが乗っかって、素早く口から鼻まで臭いが広がり、満たし、そして染み付いて離れない。これがめちゃくちゃ不快で気持ち悪いのだ。

このマズさは毒とかそういうのではない……と思う。確かに桜には毒性のあるクマリンという物質が含まれている。しかし、そんなのはよっぽど過剰に摂取しないと問題にはならない。実際、桜を煮詰めて作る桜ジャムなどもあるがパンに塗りたくって食べたところでどうにもならないし、そもそも桜餅だってあるではないか。

・記録更新

具体的に何が駄目だったのかイマイチよく分からないのだが、とにかくいろいろな要素が奇跡的に悪い方向に噛み合って、ゲロマズなヤバいフレーバーを生み出した感がある。ちなみに、過去にレビューしてきた飲み物の中で最もマズかったのは杜中の青汁

記事を読み返してみると、飲んでから30分経ってもまだマズいと書いてある。しかし今回の桜のアルコール漬けは飲んでから2時間……いや、すでに2時間半ほど経過しているがまだマズい。マズいどころか吐き気がする。何とかしたくて歯を磨いてきたのに、まだ嫌な臭いが舌や鼻に染み付いている。

杜中の青汁をボトル1本一気飲みと、桜のアルコール漬けをショットで1杯なら余裕で青汁を選ぶだろう。なんなら青汁をボトル3本くらいいってもいいかもしれない。それくらい桜の標本汁はマズい

ということで、見た目だけならわりといい感じな桜を漬けたジン。作り方は簡単だが、肝心の味の方は壊滅的にマズいので筆者としては全くお勧めしないぞ! 最初は良い考えだと思ったんだけどなぁ……。ジンではなく他の種類のお酒だと美味くできたりするのだろうか? あーヤバい、まだ臭いが残ってて気持ち悪い。

Report:江川資具
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24